去る4月19日(金)、第20回自費出版アドバイザー養成講座
「原点回帰 自分史のさきがけにきく」が大阪で開かれた。
講師に福山琢磨氏(新風書房代表)、会場は福山氏の会社の会議室。出席者約30名。
福山氏は、昭和59年に「記入式自分史ノート」を開発し、
各地で「自分史講座」を始めた自らの歴史を振り返りながら、
自費出版に携わる編集者としての心構えを丁寧な語り口で受講者にレクチャー。
著者の心をつかみ、誰にでも本が出せると力づける営業力は、
パイオニアとしての自負から生まれてくるものだろう。
一方で、昨今話題の「悪徳自費出版ビジネス」の事例を、百田尚樹著『夢を売る男』から引いて、
私たちが日々生み出している自費出版物は善と悪の表裏一体であること、
著者の気持ちを汲まない本づくりをすれば、すぐに悪徳へと転がり落ちる危険性を明確に伝えていた。
本の洪水の中で、本を仕上げることだけが目的化してしまいがちだが、
福山氏のお話は、”著者と寄り添い、著者の希望を叶える”という、
まさに自費出版の“原点”への回帰を私たちに問う内容だった。
その後の懇親会も盛況で、同業者との新たな出会いの場となった。
(文・山﨑領太郎)